アンワイナリーストーリー Anne Winery Story

信州小諸の後継者がなく、伐採寸前のりんご畑との出会いが、アンワイナリーのはじまりです。

 

わたしたちは、2001年に埼玉から長野県軽井沢町へ移住しました。仕事と二人の息子の子育てに追われる日々。わたしたちを癒してくれたのは、ここ東信州の豊かな自然と清涼な空気、新鮮で美味しい食材、そして周囲のあたたかなコミュニティでした。

この地で暮らすうちに、ワインの大好きなわたしたちは、「ここで自分たちでワインを作りたい」という想いを抱くようになりました。

 

転機が訪れたのは2015年。軽井沢の西隣にある小諸市で「父が倒れて栽培を継続できないので、木を伐採する」というりんご畑に出会いました。立派なりんごの木が30本も植わっているその畑を一目見るなり、わたしは「この畑を貸してください!」と息子さんにお願いしていました。以来、わたしたちがその畑でりんごを栽培しています。

 

その翌年から、収穫したりんごを原料にシードルづくりを開始。併せて、小諸の標高870mの遊休農地をお借りして、ワインぶどう栽培も始めました。そして、2018年には小諸駅にほど近い城下町に、古民家を改装した「アンワイナリー」を開設し、ワインとシードルの自社醸造をスタートさせました。

 

ワイナリー開設から5年。地域の方をはじめ、友人、家族など、多くの方に支えられて、ワインの生産量が順調に増え、従来の施設のみでは手狭に感じるようになりました。ワイン熟成のために土蔵などの施設を探していたところ、軽井沢町大日向地区の文化財「旧大日向教会・聖ヨゼフ保育園」に出会いました。

 

そして2023年10月、この施設を再活用する形で、軽井沢初のワイナリーであり、わたしたちにとって2つ目となる「軽井沢アンワイナリー」をオープンさせました。実はこの保育園は、私の息子二人も通った思い出の場所です。特に夫がこの場所との再会に深い縁を感じ、ワイナリーとしての再活用を勧めてくれました。

 

22年前にわたしたちを温かく受け入れてくれた地域の方々に、支え続けてくれている家族と友人たちに、ワインづくりを通して少しでも恩返しができたら。

わたしたちは「軽井沢アンワイナリー」開設を新たなスタートラインとして、軽井沢でワインぶどうを栽培し、わたしたちのワイナリーで「軽井沢産ワイン」をつくる取り組み、「軽井沢ワインプロジェクト」を発足させました。

 

私たちの「第二章」となる新たなチャレンジ。

これから、ぶどう栽培やワインづくりへの参加者を募って、仲間とともに軽井沢産ワインの歴史を紡いでいきたいと考えています。

 

株式会社プラスフォレスト

代表取締役 松村 清美